初回公開日:2021年1月31日
更新日:2021年1月31日
最近よく聞くスペシャルティコーヒー(スペシャ“リ”ティではありません)。
何がスペシャルなの?
普通のコーヒーと何が違うの??
そんな疑問にお答えします。
スペシャルティコーヒーの定義づけは各国のスペシャルティコーヒー協会に任されており、厳密な意味の定義づけは難しいところです。
以前、サードウェーブコーヒーについてまとめた記事でも少し触れていました。
→コーヒーのトレンド「サードウェーブコーヒー」とは?
ここでは「日本スペシャルティコーヒー協会(以下、SCAJ)」の定義をご紹介します。※以下SCAJホームページより抜粋
1⃣消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。
一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会(http://scaj.org/)
2⃣風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。
3⃣カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup)
…つづく
要するに、スペシャルティコーヒーは次の点でスペシャルといえます。
① 特徴があり美味しいこと(品質)
② カップまでの全工程が明確であること(トレーサビリティ)
一つずつ説明していきます。
世界中の「スペシャルティコーヒー」と呼ばれるコーヒー豆は、世界共通の評価方法によって、評価されています。「カッピング」という方式で、得点(スコア)がつけられます。いわゆる点数でグレード分けがされているのです。
以下の図は、グレードの上下関係を簡易的に示したものです。
このコーヒー豆の頂点にあるのがスペシャルティコーヒーです。世界で生産されているコーヒー豆の僅か5%の量に当たります。(一部、資料では1%ともいわれます)
希少性という点でもまさに「スペシャル」!!
このスコアのつけ方ですが、これまでは欠点豆を探すことを主目的とした「減点方式(ブラジル方式)」が一般的でした。
美味しさや特徴を評価する必要がるいわゆるグルメコーヒー(プレミアムコーヒー以上を指す)市場には、この減点方式が合わないことが分かります。
そこで導入されているのが「アメリカスペシャルティコーヒー協会(略:SCAA)」や、「カップオブエクセレンス(略:COE)」で使われている、加点式の品質評価基準です。
世界のほとんどのコーヒー豆の価格はニューヨークやロンドンの先物取引所(国際相場)の値付けを指標に決定されます。
一方、加点式で品質や特徴を評価されるプレミアムコーヒーは、この国際相場に左右されません。COEという国際品評会や、インターネットを利用した国際オークションで価格が決定されます。
1杯のコーヒーがどこで収穫されて、誰によって輸入され、どこで焙煎されたかを知っていますか?
「トレーサビリティ」という言葉をご存知でしょうか?お米や野菜、お肉などでも使われる単語です。どこで誰が育て、どのように運搬され、またどのように管理されていたかを明確にすることです。
コーヒーも当然ながら農産物です。
生産者がいて、精製工程に携わる企業・組合があり、輸出管理する企業、輸入管理する企業、生豆を購入する企業・焙煎所があり、「コーヒー」として提供するお店があります。
これが「From seed to cup(豆からカップまで)」。
ちなみに、コーヒー豆はこの各工程で先ほども述べた「カッピング」という全世界共通のコーヒーの品質評価方法を用いて、コーヒーの品質を評価しているそうです。各工程でカッピングを行うことで、どこの工程でコーヒーの品質が悪くなったかが分かり、今後の品質改善に役立てられるというわけです。
スペシャルティコーヒーの購入を検討する際には、ほとんどのお店、ECサイトで事細かに説明されれいる品種や産地(地域・農園)、精製方法などを見比べて買ってみるのも楽しいかもしれません。
いかがでしょうか。
スペシャリティコーヒーがスペシャルたる所以をご理解いただけたでしょうか。
~まずはコーヒ―。考えごとはその後で~
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